Realistic Fantasie

質的メディア分析~実践編01

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いよいよ実践的に分析を行います。

「古風な清純さ、女性の脆さそして強さを表現できる数少ない実力派の女優」
T: まだご結婚されていないと、 もったいないですね。
K子: 産まれたまんまで新品でここまできたわけじゃないもん。
T: 新品って何ですか。
K子: バージンって事よ。
T: あっ ソッチかぁ バージンなんですか?
女優: (笑いと)・・・・・

 

再度、分析の仕方を確認します。

認知のゆがみ:力を奪う思考パターン

一般化

1. 過度の一般化:証拠が乏しく、事実もないのにあわてて結論を出す
2. 全か無か思考(ゼロサム):白か黒かという極端な分極思考。選択肢は審議の二値のみとなっている二者択一思考
3. レッテル貼り:過度の一般化による中傷

認知のゆがみ

4. 非難:問題の責任を負わせて非難する
5. 心の読みすぎ(読心術):自分の「直感」を過信し、本人に確認しないで他者の考えや感情や直感を推定する。
6. 先読み:否定的な結果を未来に投影し、前向きに介入する代替法やその可能性のある方法を見ようとしない。
7. 感情的な決め付け:事実の情報源として感情に助言を求める
8. 個人化:周囲の事情や他者の活動は自分に向けられたものだと考え、自己中心的なフィルタを使って世界を理解する。
9. 悲観:最悪のシナリオを想像し、「そりゃひどい」などという場合の「ひどい」という非指示的な言葉でそれを増幅する。
10. べき思考:「~すべき」、「~しなくてはならない」という言い方で自分自身(および他者)にプレッシャーを与え、規則に従わせる。
11. 心のフィルタ:物事の一面だけに過度に集中して他をすべて排除するために視野狭窄におちいり、「ひとつのこと」しか見えなくなる思考バターン。一般的にこの思考パターンでは肯定的な面が排除されるため、否定的な認識が残ることになる。
12. できない思考:「~ができない」という言葉を使って自分自身や他者に言語的・意味的な制限を押し付ける。
13. 割引き思考:解決法になる可能性のあるものをけなして不適格とみなす。

 

事例1.

では、分析した事例を紹介しましょう。

新品 バージンを分析

1 年齢を基準にし、人に対しレッテルを貼り制限を加えている。(制限のビリーフ)
2 新品でないと価値がないといった価値判断を含んでいる。(歪曲)
3 性の商品化につながっており女性に対してだけ向けられた差別である。

しかし最近は、男性の性の売春広告とも取れるようなものも見られ、これは
ジェンダーギャップ(男女の性差による、価値観や行動などの差異)の拡大=人権喪失=ではないかと危惧する。

 

キーワードとして名詞である「新品」「バージン」を扱った分析です。

 

分析に用いていた「エンパワーの思考パターン」

3. 現実検討を行う:現実検討を行う。その人がどの程度、どんなふうに、それを「望ましくない、望まれてもいない、悪い」ことだとみなしているのか、など、より具体的な理由を明確するために、判断基準や価値観を表す言葉をチェックする。名詞の名詞化を無効にして隠されている動詞を見つけ出す。

4. 名詞を無効にする:ラベルがどう―正確に、有用に、生産的に、過度に一般化して機能しているのか、現実検討を行って見極める。思考や言葉遣いを曖昧にしている名詞や偽の名詞の名詞化を無効にする。

12. 評価する:何が重要か?どう重要か?その価値はどう評価できるのか?

 

新品=バージンであることに価値があるのはなぜか

そもそも、バージンであれば性病をもっていることがない、自分が一番初めの相手であれば、自分以外の男を知らない。それだけではない。DNA鑑定が行われていなかった時代に自分の子供であるかどうかがわからなかった前時代的なものといえる。夫でなければセックスすることができない貞操帯を中世ヨーロッパ貴族は妻に履かせていた事実もある。

特に重要なことは年齢である。出産には年齢制限がある。さすがに月経が終わればこどもはできない。

乱交が主流であった時代、バージンであれば自分の子供であり、陰に「誰の子供かわからない」状態ではない、ということだともいえる。
近年では別の意味で特定パートナとの婚姻が進められている。

一夫多妻制があるためにHIV感染率上昇してしまったアフリカ。

事実、南部アフリカでは「処女とセックスをするとHIVが治る」という恐ろしい風評が流れたことがあり、幼児レイプ事件が多発している。

この迷信は、キリストの聖母マリアが処女懐妊したというありえない事実もある。

たしかに、単体で次世代を残せる種もある。しかしながら、人間においては、ない。

汚れものである、割れ物であるという意味は女性に人格がなく、子供を産む「所有物」だったということでもある。

子供を産める状態である女性が性の対象となったということである。

したがって子供が産めない女性は女性とは言えない、ということになる。

子供が生まれない場合は、たとえ、無精子症であったとしても女性側の責任となってきた。

 

子供を産む道具としての女性と男性の性欲を晴らすためだけに存在する女性たちがいたのである。

採集生活から定住生活に移り、貨幣経済になった段階で子だくさんは貧困スパイラルを産み、貧富の格差を広げた。

女女格差だけではない、男男格差もある。

その代表が、妻を多く持ち、子供をできるだけ多く持つ男性がコミュニティで評価されるという評価制度だ。

※男性神話については別の機会で言及する。

 

メディア分析からより多くのことを深く考えるきっかけになれば幸いです。


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