【おとなための音楽】バロック・バイオリンのすすめ~No.1
「この曲弾いてみたい!」
このような夢をあなたはお持ちですか?
哀愁漂うヴァイオリンの音色に
心が浄化されたあの曲、
あの想い出の曲を自分で弾けたらいいのに・・・
と思ったことはありませんか?
日本では鈴木バイオリンメソッドは
代表的なヴァイオリン演奏方法のカリキュラムとして確立されています。
丁寧にカリキュラムが組まれており、
経験豊富な指導者も多くいらっしゃいます。
多くのヴァイオリニストを創出している実績のある奏法です。
とはいえ、独特の演奏フォーム、身体に無理がある姿勢のため、
著名なヴァイオリニストも体調不良を起こしています。
大人の初心者が学ぶ場合、肩こりや腰痛がひどくなり
調子を悪くする方が多くいらっしゃることも事実です。
挫折された方も多いのではないでしょうか?
もっと、自分に合った演奏フォームで
あの憧れの曲をヴァイオリンで弾いてみたいと思いませんか?
この記事では大人になってから初めてヴァイオリンを習う人にとって
最適なスタイルを作り出すバロック・ヴァイオリン演奏スタイルを提案します。
そして、バイオリン協奏曲を演奏している自分の姿を夢みるあなたが
心も身体も健康になるバロック・ヴァイオリン演奏スタイルを開発できるよう、
まず、バロック音楽をご理解いただきます。
そして、バロック・ヴァイオリンが大人の初心者に適している特徴をお伝えし、
あなたの夢をかなえる一助にしていただきたいです。
音楽の神髄~バロックの巨匠たちの想い
皆さまおなじみのモーツワルト、ベートーベンの少し前の時代に
バロック音楽は人の情動を揺さぶることを目的に進化しました。
チャレンジングな作曲家たちがあれこれ試し、
現代音楽の4つの原型がこの時代に生まれたといってもいいでしょう。
ひとつめは劇音楽(オペラ)の原型が確立されたことです。
ふたつめは、チューニングが難しかった弦楽器に革命が興りました。
ヴァイオリン、チェロなど弦楽器が発明されました。
そして、音楽によって沸き起こる感情が異なりますよね。
そのからくりが、3つめの『調性』といわれる旋律です。
大みそか恒例の『ハレルヤ』合唱。
歌っている人もそして聴いている人も歓喜に達します。
これは天上の力・神の栄光を表す調といわれる
ニ長調という旋律でつくられているからです。
https://www.youtube.com/watch?v=du_55EZFL0Q
また、あのバッハ「トッカータとフーガ」やベートーヴェン「第九交響曲」は
ニ短調を用いています。
https://www.youtube.com/watch?v=EN19kr5SYoY
https://www.youtube.com/watch?v=ChygZLpJDNE
ニ短調は不安、悲歓、荘厳、崇高さを表現します。
二つとも出だし不安を感じるのですが、
最後には崇高さに達するという
なんだかとても巨大な力に圧倒される曲ですよね。
バロック時代の作曲家たちは試行錯誤の上、
人々の心を揺り動かすためにこうした調性を研究し確立させました。
強い音と優しい音のコントラストから織りなす調性。
この調性を音楽のキャラクターとして使い、
その音楽の目的によって使い分け、
人の情動を揺さぶり、
時には癒やしました。
最後は、ジャズのセッションのような現代音楽の原型ともいえる演奏様式もできました。
低音のメロディーだけが楽譜に書かれ、
ハーモニーは和音を即興で演奏するという
通奏低音様式が確立しました。
バロックの作曲家たちは綿密に調性プランを立てました。
様々な人たちが関われるような演奏方式ができました。
パトロンである教会や国家元首の望みを果たすために、
ハーモニーは演奏者の力量でその都度調整され、
バロック音楽は音の一つ一つに生命を吹き込み、
人々へ救済と歓喜を音楽で導きました。
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