生きずらさの要因は何か~日本型雇用システムと労働から探るNo.5
日本型雇用システムの変容
進化論を唱えたダーウィンは「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。
そうではない。
最も頭のいいものか。
そうでもない。
それは、変化に対応できる生き物だ」と言ったとされている。
真偽のほどはともかく、生物多様性の定義は「生きものたちの豊かな個性とつながり」とされている。
要件としては種の多様性、生態系の多様性、遺伝子の多様性が揃ってはじめて生物多様性が実現するらしい。
生存するために必要な生物多様性の観点では法的な存在ではあるが、
日本雇用システムにはこれら3種類の要件が満たされていない。
そもそも規則は人間が人間を管理するために作ったものであれば、
欧米のジョブ型雇用システムも日本型雇用システムも人間が存続する要件が揃っていない
ということは非常に危ういシステムといえる。
では、充足されるようにするためにはどうすればいいのか。
人が生きる上でのセキュリティとは
逸脱した利己的な利益追求では世界が抱えている問題は解決しないことを訴え、
ムハンマド・ユヌスはマイクロファイナンスを創始した。
市場経済の中で事業コストがまかなえる適正利潤の創出が社会的事業の大前提であるなか、
単なる慈善事業とは異なる新ビジネスモデルを構築することにマイクロ・ファイナンスは意義がある。
これ以前は企業が、新たな企業の理念の下にCSRとして環境保護や貧困撲滅を図る行動をとることの間、
本質的な差異は解消され、新価値システム「「市民・市場・国家」の三つのトライアングル構造」ができつつある、
というドラッガーの言葉が主流だった。
共圏の確立は、NPOの存在意義の確立といえる。
その一つが、シビック・パワーといわれる「監督」機能。
スコット・ペイジは「失敗」に備える組織にとって「失敗」を未然に防ぐ、
多様な観点からのリスクマネジメント力こそが評価されるところではあり、
今後力点をいれるべきところとした。
このように、日本型雇用システムの変容には変化を抱擁し、多様性を許容できるコミュニティに成長せざるを得ない。
そこで、日本型雇用システムの変容を促すポイントを4つ述べる。
経験則から理論開発へ変容
過去の経営を成功させた経営者の哲学は多く存在する。
しかし、どれも「昇華」されているものは思想的なものが多く、
品質管理や経理は他業種に応用できるものになっているもの数が少ないのが現実だ。
理論体系の構築をすることで異分野異業種に応用可能となる。
価値定義の変容へのキャッチアップするためには、多様な能力があつまり、
それを一気に理論へと昇華し、応用にブレークダウンできる労働環境を作る必要がある。
ここで注意しなければならないのは、多様性は能力に勝るが「好み」と「ツール」は異なる。
言い換えれば、頭数の多さと「ツールの数の多さ」は比例するわけではない。
すなわち、労働環境の改善は人材開発だけではなく、組織開発として取り組むということだ。
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