質的メディア分析のあるひとつの手法~分析以前
様々な言葉にいちいち反応する姿は、あたかも思春期の中学生たちが
その言葉を妄想して「きゃ~」と喜んでいる姿にもとれる。
K子は非常に「瑞々しい感性」の持ち主ともいえる。
もちろん、メディア受けをとるための巧妙な作戦といえる。
この巧妙な作戦に対してどう対応するのか。
その基本的なメソッドを紹介する。
言葉のイメージは人によって異なる
私たちはある出来事の体験を言葉にするときその体験は心の深層部から表層部に浮上します。
その際、意味を理解して使っている言葉と思い込んでいる、錯覚している言葉を用いています。
錯覚している言葉の意味を明確にし、その思い込み、錯覚を区別します。
代表的なものは、省略、一般化、歪曲です。
省略:そこには沢山の情報収集の可能性がある。
一般化:特定の「決め付け」や「制限」が設定される
歪曲:根拠のない意味づけや表面的な決めつけ。
省略
わたしたちが出来事や物事に対して自ら選択しているある側面のみ注意を払い、他の側面を無視してしまうプロセスのこと。私たちは焦点を当てた物事以外を省略することで現実世界を小さくして取り扱いやすい大きさにします。省略はある場面では役に立ちますが、別の場面では混乱や苦痛の原因となります。
一般化
あるひとつの例を挙げて、その他多様な状況を代表して表現することを一般化という。もしも世の中に一般化が存在しなかったら、いちいち個々の詳細を繰り返す表現が必要となります。その意味で一般化は我々の人生の効率を高めてくれる。しかし、あまりに一般化が過ぎると、適切な具体的情報や本来伝えたい意味が相手に届かないことがおきる。
「みんなそう思っている」「こんなの常識だ」と私たちはよく物事を一般化しています。
歪曲
人が何かを経験した際に受け取るデータを歪ませてしまうプロセスのこと。例えば、想像や夢を描くことによって、様々な体験が実際に起こる前に私たちは準備することが可能。あらゆる芸術的想像は、この動きの結果でもある。
・言葉の使い方の中には「うそつきは泥棒の始まり」など勝手な結びつきや隠された前提があります。また、「あいつはやる気がないのだよ」と話し手にとっては完璧な因果関係の憶測であっても、情報というものは歪んで伝えられる。
力を奪う攻撃的な言動
質的メディア分析のあるひとつの手法~No.01、質的メディア分析のあるひとつの手法~No.02
で見てきたとおり、K子さんの言葉はある特定の人に対して、「力を奪う攻撃的な言動」をされています。
これは「 1 対 1 」での内輪での言動ではなく、メディアを通じて一般の人々に浸透する思考となっています。
ある種のメディアコントロールというカテゴリに属する行為ともいえます。
確かに、個人として、「エンパワーメントする思考」ができればよいですが、表現の自由というものを徹底的に議論し、その思考を身に着けた人だけしか「思考の汚染」から救出することができない状況です。
これは極めて危険な状態といえます。
さらに問題なのは、K子さんのゲストに対する接し方です。
必ず暴力的な言動で相手を脱力させ、そして「服従させる」という行為が放送されます。
これはどういう影響を引き起こすのでしょうか。
1. 絶望的:能力がどうであれ、望んでいる目的は達成できないという信念
2.無力感:望んでいる目標は達成可能だが、自分には達成できる能力がないという信念
3. 無価値感:自分は望んでいる目標を達成するに値しない、ふさわしくないという信念
まさに、DV被害者の女性たちが受けた心理的ダメージをメディアからも受けるということになるのです。
これはいじめの被害者や社会的弱者と言われる方々も含めた精神的なダメージです。
この暴力を受け、服従するしかないという状態は「占い」のねらいなのでしょうか?
本来の目的、人が人として生きるための指針となるにはどうあればいいのでしょうか。
質問に答えて人生の筋書きがある程度決まるものでしょうか?
それが自分の人生を他人が作っているという現状に問題があるといえます。
わたしたちは「占い」をはじめとする様々なメディアとどう向き合えばいいのでしょうか。
発信する側になればいい、というだけの問題ではありません。
つきつめれば、誰にどんな情報が必要なのかということにつながり、ビッグデータ分析ともつながることとなります。
いわば、ビッグデータでデータをかき集め、メディアで深層心理をコントロールし誘導している、という見方もできてしまいます。
AIに支配されるのではなく、ある特定の目的を達成するためにAIは利用されているといってもいいでしょう。
本当に望んでいる変化を発見する
本当に望んでいる変化を発見するために、私たちがやることは何か。。。
1 情報を集める(問題の焦点化)
2 言語化することで意味を明確にする
(深層部にある体験と再統合させる。正確に何を言いたいのかをはっきりさせます。)
3 制約を認識させる
(制限は言葉にあるのであって、例外を求めることによって行動が広がり、未来が見えてきます。)
4 選択肢を増やす
この「制約」が何か、そしてこの「制約」を外し、選択肢を増やす、ことができれば解決されることが多くなります。
「とざされた科学技術分野や政治」に「オープン化を適応する」
それだけではない。
自分のデータの使われ方もしっかりと把握し、そのデータが適切に使われているかどうかを把握する術があれば、
不適切な利用は不正とすることができ、適切な利用を促進させることとなる。
本来は政治や制度の問題であるにもかかわらず、いつの間にか個人化された問題となっている。
これらを解決する一つの手段となるよう、じっくりとメディア分析を進める。
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